ムラタの強みと将来性

ムラタの強み


グローバルマーケットシェアNo1の商品や最先端商品を生み出す高い技術を持っていることがmuRata最大の強みです。社是「技術を練磨し 科学的管理を実践し 独自の製品を供給して 文化の発展に貢献し 信用の蓄積につとめ 会社の発展と協力者の共栄をはかり これをよろこび感謝する人びととともに運営する」 にあるように、自社の技術をとても大事にしています。最終製品メーカーと比較すると不況には強く、花形部門(セラミックコンデンサやフィルタ、通信モジュール)が圧倒的な売上、営業利益率で、超円高の時期ですら全社的な黒字を維持しました。近年では、メトロサーク(液晶ポリマーを用いた樹脂多層基板)事業などにも注力しており、コアとなる技術を活かすマーケティング力や、新しい需要をタイムリーに取り込めるだけの生産技術力も強みになっています。

原料からのセラミック技術やそのほか電子部品の製造において、村田製作所の社内にノウハウがしっかりとデーターベース化されています。また、技術を原理原則に基づいて、過剰なほど品質の安定性や機能について厳しい審査がなされた上で、製品化されています。取扱い商品の幅も広く、供給力もあるので顧客の難しい要求にも応える力があり、クライアントからの信用が高いです。その一方で、経営戦略にも優れており、M&Aを効果的に実施し、電子部品の用途、地位を確固たるものとし、さらに得意なマーケットを拡大しています。ソニーの電池事業を買収するなど、経営陣が常に攻めの姿勢を示しており、巨大企業では稀ですが、トップの考えが明確に社員に浸透していると思います。

【MURATA】 DCDCコンバーター 48V から 12V へ フォークリフト 用電源


仕事のやりがい


どの社員も比較的若いうちから、大きな仕事を任せられます。世界トップシェアの製品や各種機能性セラミックスを基盤とするムラタの電子部品は、世界中に供給されており、自分の仕事がその重要な一翼を担うことになるので、非常にやりがいを感じることができます。一社で、材料の開発から電子機器、部品まで扱うそのプロセスはダイナミックであり、ここまでの幅広い技術を有し、さらにそれが世界をリードするものづくりであるという例は、世界的にもなかなかありません。最先端の分野に携わり、電子機器の小型化/高度化に貢献することで、世界中の人達の生活を豊かにしているという実感がやりがいに繋がります。日本の製造業としては最高峰の年収水準で働けていることも、やりがいの一つです。

製品の製造プロセスにおいては、エンジニアや企画開発、知財や資材、製造と多くの部門と密接に連携して仕事を進めていくため、一人でやっている、戦っているという意識はなく、高いモチベーションを維持することができます。プロジェクトが達成できた時には、それ相応に評価され、種々の社内表彰等で報いられるようになっています。また、海外顧客や日系でもグローバルで動いている企業が顧客となる為、営業活動もグローバルな規模で、海外拠点と連携しながらグローバルビジネスのダイナミズムが味わえます。


事業展望


全体の業績が比較的良いため、不採算事業からの撤退判断が遅い事例が散見されます。また、取り扱っている商品が強すぎるため、井の中の蛙になりがちです。売上高・利益は中華圏及びアップル社に大きく依存しており、日経新聞ではアップル関連銘柄として紹介される程です。iPhone・スマートフォン市場の成長が止まったら、業績も株価(6981)も現状維持は難しいのではないかと予想されます。

また、事業の柱であるコンデンサ/キャパシタが、国内ライバルのTDK、京セラ等だけではなく、価格の圧倒的に安い中国・韓国製に品質で追い上げられてきており、10年後には優位性が残っているか疑問視されています。近年はその危機感が非常に高まっており、次の柱となる新規事業として、セラミックス、電子部品技術を基盤とした、自動車、半導体分野からバイオやヘルスケア、医療、エネルギー分野に向けた事業展開を図っています。また、技術と経営企画が連動して、他社との共同開発やM&Aにより、技術開発スピードを迅速化し、他の追随を許さない戦略を推進しています。